ステップバイステップの画像で詳しく説明していきますので、ボタニカルアート初心者・独学の方、基礎から学び直したい方もバラの葉の鉛筆デッサンを描いてみましょう。

できる、できる!
PCやスマホ、タブレットなどのキーボード入力が日常になり、フリーハンドで線を引いたり文字を書くことが少なくなってしまった昨今です。
鉛筆やシャープペンなどを最近使っていないという方向けに作った、鉛筆上達法(植物の線描きの練習)は、お役に立ちましたでしょうか。
まだの方は一日10分の隙間時間でできますので、休憩の合間などにボタニカルアートを描くウォーミングアップと集中力アップとして是非試してみてください。
気になる方はこちらから―☆
程よく腕と手の指に筋肉が付き、ボタニカルアートを描く上でのスムーズな線描きに効果的です。
一本の線に集中しながら、心も落ち着き、穏やかで無心になりますよ!
それでは、今日は実践編として実際にバラの葉を皆様に描いていただきますが、その前に簡単にボタニカルアートを描く上での葉の観察のポイントをご紹介いたします。
ざーと目を通していただき、葉1枚にもこんなにも色々な個性があったんだな~、くらいに気楽に考えてください。
どれも私たちが子供のころから自然と目にして、実は知っている特徴ばかりです。
「描き始める前のポイント」
ボタニカルアートを描くための葉の観察ポイント
私たちが通常「葉」と呼んでいるのは葉の構造の内、葉身と呼ばれている部分だと思います。
しかし、葉身とつながっている葉柄(茎や枝とつながっている柄のような細い部分)や托葉(葉柄と枝との接点部分にひらひらとしたもの)も含めた全体を葉だと考えていただくとよいでしょう。
注)葉柄や托葉を持たない植物もあります。
それでは植物の葉が表しているいろいろな特徴について見てみましょう♪
葉は単葉なのか?複葉なのか?
一つの葉柄から一枚のみ葉が出ている。

一つの葉柄から複数の小葉が出ている。

葉の形と質感はどのようか。
・長細い。
・丸い、楕円。
・葉の厚みはどうか。肉厚か。薄っぺらいか。
・大きいか、小さいか、サイズはどのくらいか。
・光沢はあるか、固そうか、柔らかそうか。
葉の周囲はどのようになっているか
・ギザギザがあるのか。
・波打っているのか。
・切り込みが入っているのか。
・毛が生えているのか。
葉先はどのような形か。
・先はとがっているか。
・先は丸いか。
・先は複数個に分かれているか。
・先にとげはあるか。
葉柄はあるのか、托葉はあるのか。
・托葉の形や大きさ。
・葉柄の長さ、太さ、溝はあるのか。
・葉柄に毛はあるか。
葉脈はどのようになっているか。
・網状脈か、並行脈か。
・葉脈が盛り上がっているのは葉の表か、裏か。
・葉脈は目立つか、目立たないか。
葉の表面、裏面に毛はあるか。
・葉の表と裏で毛の多少があるか。
・毛は何色か。
・毛の長さはそろっているか。ふぞろいか。
・毛は柔らかそうか、縮れているか。
・若い葉には毛があるのか。
葉がつるのように巻き付く性質があるか
・葉身自体が巻き付く性質があるか。
・托葉に巻き付く性質があるか。
・先端の葉がつる化しているか。
落葉樹(冬になると落葉する)か。
(落葉樹の場合、冬の枝の様子も観察できると五重まるです。)
季節による葉の変化はどうか。
・紅葉するのか、赤くなる、黄色くなる、オレンジになる。常緑か。
・春の新芽の色。赤いのか緑色か、黄緑か。
葉の表と裏で色は違うか。
・結構重要なのが葉の裏の色や明度です。
・鉛筆デッサンでも、陰影までつける場合は、葉の裏の明るさは重要ポイントになります。
バラの葉の特徴
それでは実際にバラの葉を見てみましょう。
同じバラでも葉の形も鋸歯の入り方も色々です。
バラどうしの個性の違いも面白いですよ。
形の違い

各小葉は細長い楕円状。
鋸歯の形が規則正しい。
周囲は波打っていない

各小葉は細長い楕円状。
鋸歯の切込みがはっきりしている。
周囲が波打っている。

先端の若葉はやや赤みが入る。
成長した葉は黄色味の多い緑色。

真っ赤にそまり、赤い期間も長い。
成長すると濃い緑色になる。
葉の裏の色

裏は表に比べかなり明るい色。
裏側に葉脈が盛り上がっている。

先端の若葉は、表面の赤みがほとんど消えても、裏側には赤みが多く残っている。

↑はっきりとした托葉が存在する。
葉に光沢があり、厚みも感じられる。

↑葉柄、葉軸にU字の溝がある。
溝の口が赤い。
バラの葉の特徴をひとつずつチェックしてみましょう!
・単葉か、複葉かーー>複葉です。
・形ーー>楕円状。卵のように丸味のあるものもあれば、レモン型のものもあります。
・質感ーー>特に固くも柔らかくもなく、種類により光沢の有り無しがある。
・先ーー>とがっている。
・周囲ーー>鋸歯(ギザギザ)がある。
・先に棘(とげ)ーー>ない。
・毛ーー>種類により毛の有無がある。
・葉に巻き付く習性はあるかーー>つるバラと呼ばれているものはありますが、私の知る限りでは葉自体に巻き付く習性があるわけではないと思います。
・葉脈ーー>網状脈。たいてい葉の裏側の葉脈が少し盛り上がって目立つ。
・落葉樹
・紅葉する。
・新芽の時期だけ赤いものもある。
・葉の裏-->表面より明るい色の場合が多い。
注)以上、日ごろ身近なバラからの観察結果ですが、すべてのバラを把握しているわけではありませんので上記と異なる場合もあることご了承ください。
ボタニカルアート バラの葉の鉛筆デッサンに必要なもの。
・実物の葉、または実物大の写真。
※バラの葉/実物大画像A4のカラー写真を準備しましたので、各自で以下からダウンロードしてプリントアウトして見本としてお使いください。
・その他シャープペンなど道具類について詳しくはこちらー☆を参考になさってください。
バラの葉を鉛筆で描いてみよう!
今から描くバラの葉は、丸みがあり大きめサイズです。
机の上の環境
机の上は、腕を自由に動かせるようなスペースがありますでしょうか。
周りに色々なものが置いてあり、腕を動かしにくい状態では伸び伸びとした線を引けません。
また、バラの葉の練習画像(以下)はプリントアウトしてお手元にありますでしょうか。
机のよく見える場所に置いて実物大のものを見ながら描かれるのがよいかと思います。
一番上の画像が実物大です。
実物大で描くことがボタニカルアートのお決まりのルールなのですが、初心者で小さめで練習したいという方は下の画像を使っていただけたらと思います。
左中央は托葉の部分を分かりやすく撮影した画像です。

ボタニカルアート ステップバイステップ鉛筆の描き方。















シャープペンは紙に傷がつきやすいので、この時点では筆圧のかけすぎに注意してください。

皆さま、全体像はとらえられたでしょうか。
ご自分が納得がいくまで修正されるのもいいですし、先ず一通り完成まで一気に進むというのもいいです。



















まとめ
皆さま、頑張りましたね!
葉と言いましても、バラは複葉なので葉身は複数の小葉からなりますので、結構時間がかかったのではないでしょうか。
始めたばかりの初心者の方には少し大きなハードルだったと思います。
その場合は沢山ある葉の中の一枚だけ頑張って描いてみてください。
そして頑張った自分を褒めてあげてくださいね。
先ずはここまでやった!
次はもっと上手くなる!
頑張るあなたを応援しています。
それでは、今日の講義はここまで。
あこがれのバラの葉。ドキドキするわ!